当時まだ「ハラスメント」という用語が普及する前のことで、彼の振る舞いを形容する的確な言葉がありませんでしたが、「あいつは酷い課長・・・」と呼ばれていました。あまりにも部下に対する態度が酷いので、会社も彼を“とてつもなく個性的な人ばかり集めた特殊な部署”に異動させ、その後事なきを得たようです。私は彼の異動直後にその課長がいた部署に配属になりましたので「酷い課長」は伝説にしか聞いていませんが、実際に彼の部下になっていたとしたら、どうなっていたやら・・・
意外と気が合ったかもしれません。
その酷い課長は“とてつもなく個性的な人ばかり集めた特殊な部署”に異動させられて暇になったらしく、社員のタメになればと「タメになる教訓集」みたいな冊子を自ら執筆して印刷して各課に配布するという偉業?を行ったのが、私の目を引くところとなりまして、
その「タメになる教訓集」の中に、こんな一節が書かれていたのを今でも記憶しています。
それは・・・
「水の入っていないバケツをいくら叩いても音はするけど水は一滴も出てこない」
だから水が欲しけりゃ水の入っているバケツを探して叩けと。。
で、昨日、この教訓が如実に活かせる出来事がありましたので、大したことじゃないけど、ふつうにこんな事もあるから、ひとの話を真に受けない方がいい、という上述教訓の解説みたいに記事にいたす、としました。
昨日、断捨離をしていました。
大切?に保管していたモノを「これはいらない、不要!、今手放さないでいつ手放す?今でしょ」とか自分に言い聞かせて、無理やり不要品を家のあらゆる収納から出しました。ものぐさの私がこんなことを始めたのは、妻が「断捨離せよ!」と私に命じたからです。
その「無理やり不要品」の中にまだ使えるオイルヒーターが2台ありました。電気で中のオイルを温めて部屋を暖房するというものです。それらをリサイクルショップに重い思いして売りに行きましたが「ダメです。古すぎて買い取れない規則です」だったので、捨てるしかないという結論になりましたが、コイツらをどう捨てたらいいのか分かりませんでした。
それで「ゴミの捨て方 〇×市」でググってみたら、市役所の美化推進室のサイトに「ゴミの捨て方が分からなかったら電話を・・・」みたいに書いてあったので、電話しました。
俺「あのぉ、オイルヒーター捨てたいんですけど、どうやって捨てたらいいですか?」
担当の人「オイルですか? そういうものは抜いて家電ゴミとして出してもらわないと・・・」
俺「オイルヒーターのオイルはそう簡単に抜けないですよ」
担当の人「燃料が入っていると爆発するといけませんので、それは守って抜いてもらわないと・・・」
どうもこの担当の人はオイルヒーターのオイルが燃料だと思っているみたいなので、このオイルは燃料じゃなくて電気ヒーターで発生した熱を放射パネルに運ぶ媒体だということを私がその人に解説するハメになりました。
そうしたら担当の人は「あの、ちょっと確認しますので・・・」と電話から離れました。
たぶんあの人だけが詳しく知らないだけで、誰かに聞いたらすぐ的確な回答を言うだろうと思ったら・・・
「あの、今確認したところ、オイルヒーターのメーカーに一度相談されて、どのように廃棄できるのか、ご自分で調べていただきたいと・・・」という展開になってきました。
このはなし、ほかの方々だったらいったいどうするのでしょう?
私は『この人達、何も事実を知らないんだ!』と直感しました。
あの嫌われ者課長の言うところの「水の入っていないバケツ」組の人達です。こういう人達の出す「音」を真に受けて、メーカーに電話して聞いて・・・進めていったら、まるで船を山に登らせるような一大行事になってしまう。たかが要らないオイルヒーターを捨てるだけなのに・・・
と、そう考えて、とりあえず「ありがとうございました」と電話は切ってしまい、またネットに戻って「清掃局 ○×市」とググり、清掃局に直接電話できる窓口を見つけ出しました。
そうして清掃局の職員に尋ねたら、
「あ、オイルヒーターですか。それは個人が家庭で使っていたものですね。そうであれば直接あなたがそれを清掃局まで持って来てください。」
これで一発解決。
清掃局に持って行けばオイルヒーターのオイルなど抜かずにそのまま廃棄できる(ただし有料)。
なんで美化推進室の人は「それはよく分からないから直接清掃局に聞いてちょうだい、電話番号は・・・」と教えないで、わざわざ違う事を言ったのか分からないけど、今まででもそういう似たような事がたまにあります。
その度に、あの嫌われ者課長の「水の入っていないバケツ」を叩いても無駄なだけ、という銘文が思い出されます。
この嫌われ者の課長、その後に大嫌いな私の係長をこっぴどく怒鳴りつけるという、たぶんハラスメント現場を見たことがありまして、恐ろしいやら気分爽快の混じった玉石混合な気分で眺めたこともありましたが、
嫌われ者の言うことも「一理ぐらいは有る」と冷静になって記憶して得なら覚えておくこともいいのではないかと私は思います。
タグ:嫌われ者の名言
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