2017年04月15日

「ゆるい仕事」は、実行するのがゆるくないと思うよ

過日BSジャパンの「日経プラス10」で経済コラムニストの大江英樹氏が「老後赤字は年金+月8万円で防ぐ」について語っていました。「夫婦でそれぞれ4万円づつ稼げばいいんだし、もしかしたらそこまで稼がなくてもいいかもしれません。要はどのような生活を送りたいかで必要な額が決まるんで・・・」こんなお話も。

この話をテレビで見て聞いて、視聴者はいったいどう思ったのか、良さそうだから実行しよう!と思った人はどのぐらいいるのか?私は実に興味ありますが、おそらく視聴者の大半が何だかピンと来ない夢のお話ぐらいにしか受け止めなかったのではないか??という気がします。

しかし、この手の「ゆるい仕事」のことがテレビの、しかもメジャーな経済番組の「日経プラス10」で語られるようになったということは結構なことです。「ちょこっと仕事して稼ぎ、多くを自由時間にあてる式のセミリタイア」がだんだんメジャー域に接近している傾向が見えます。

そのうち政府のやっている「働き方の改革」のひとつに「セミリタイア」も加われたらなぁ、と。

ただ、どうなんでしょうかねぇ。
上述番組では「月8万円」を聞いて、しかも夫婦だったら「月4万円でもOK」と聞いて、多くの視聴者は「たったそれっぽっちの収入でカッコつくかよ!」と思ったのではないでしょうか?しかも「月4万円」レベルの収入で済む仕事は、探すのが難しいかもしれないです。

「月8万円」は、パート勤務者の月収を下回るかもしれないし、「月4万円」のパートというのは日に4時間勤務として週3日勤務ぐらいでしかないので、はたしてそんな楽な、しかもシニアのためのパートがあるのかどうか?

仮にその「ゆるいパート」の仕事が運よく見つかったとして、現役時代は月収40万円だの50万円だったりするサラリーマンが「いい仕事が見つかった!」と喜べるかどうか?

相棒の奥様にしても「ゆるい仕事」を見つけていそいそと開始する旦那を眺めていい気持ちになるかどうか?きわめて懐疑的です。
ウチの場合も、超運よくアーリーリタイアを認めてくれた我が妻ですが、その後は近所のオバはんやパート仲間に「ご主人何やってるの!毎日家に居るなんてダメやんか!なんで早期退職を許したんよ!今度連れていらっしゃい。あたしが就職世話してあげるさかい!」なんてしばらく言われ続けたのですよ。そういうのをふつうの人は馬耳東風で「まあごもっとも、だけど俺はやらないよ」と流せるでしょうか?

私は私の家庭しかよく知らないからよそ様がどう感じ何を考えるか想像するしかありませんが、たまーに近所の方々と町内会つながりでお話すると、私ん家よりとてもとても「他人との比較」の中で、比べながら、負けまいとして、背伸びもして、踏ん張って暮らしているとしか思えない言葉にしばしば直面します。

私が軽く「・・・普段私は家に居ることが多いので・・・」なんて言うと「エ!なんで・・・どうして?」と言うか、顔に書いてあるのが見えるわけです。
そこで「私は家で仕事しているので」というと半分ぐらい納得するみたいで「そーよねー、まだお若いから」などとアラ還まる出しの私をつかまえて「若い」という表現を使うのですね。

このような普段の観察をふまえると、
60歳ぐらいはまだちゃんと仕事していないと世間様に恰好がつかない。ちゃんと仕事するには勤めなさい。しかも世間様に言っても恥ずかしくないぐらい稼いで来なさい!という奥様方の声なき声が聞こえるし、旦那もそれに応えようと考え、自らも「他にはまだ負けたくない」という自尊心も働いて・・・だから「月8万円」だの「月4万円」だのいう収入に満足することは精神上不可能だ、となるんじゃないかなぁ、と予感するのです。ふつうの人であれば。

だから「老後赤字は年金+月8万円で防ぐ」と聞いて、身を乗り出す人は限られていて、月8万円ビジネスは有望だと気付いた僅かな人と、既に老後を毎月赤字で暮らして困り果てている既に相当シニアの人々ではないかなぁ。
でも後者には手を差し伸べる受け皿があるとは思えません。

月8万円とか4万円ビジネスを安定的にやる方法は、ネットを使ったビジネスか、私は経験無いけど自動販売機を置く、駐車場に土地を貸す、不動産賃貸などではなかろうかと思いますが、ネットビジネスは「明日から月8万円」というのは無理な話で、通常長い助走期間が要るし、他の方法も土地やら物件を持たなければできません。
だからふつう?は「日に4時間で週3日勤務のパートは無いかなぁ」と探し回ることになってしまうでしょう。でもそういうの、滅多に無いと思います。

しかし、もし潜在ニーズが多くあることが判明したら、そんな「ゆるいパート」「ゆるいアルバイト」が多く現れるかもしれないですね。

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posted by 大庭夏男 at 14:47| Comment(6) | TrackBack(0) | リタイア後のお金のこと | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
セミリタイアに憧れ、たびたびこちらにお邪魔していましたが、
残念ながらセミリタイアは叶わず、昨年60歳で定年退職したシングル女子です。

定年後は、せめて自宅から近いところで時短で仕事をしようと、この4月から週4日1日5時間のパートに就きました。そうです、年金+8万円の収入になります。
もちろん現在年金は満額出ておりませんが、一応個人年金に入っていたので何とかやりくりできています。
3つの趣味とほどほどの仕事でストレスない生活を満喫しています!
Posted by ミサ at 2017年04月16日 20:50
ミサさん、

良さそうな勤務のパートのお仕事ですね。
私も7年前に会社を辞めたときに週3日か4日の勤務を探しましたが、思う職種の仕事が自宅から通える範囲にはありませんでした。
働く環境は少しづつ変化していて時短勤務の選択肢が増えているのでしょうね。
Posted by 大庭夏男 at 2017年04月17日 13:18
男性は、リタイア後であってもそれなりの賃金を求めるでは?
思う職種なんてほとんどないです。
なんの肩書きももたなかった女性の私さえ、当初は時給に躊躇いありましたよ。
まぁ、現役時代に何も持たなかったからこそ、拘りを払しょくできたのかも。
何を優先するか...ですね。
私は10年前から趣味を広げ、仕事より趣味優先の生活です。
Posted by ミサ at 2017年04月17日 23:21
ミサさん、
男女の別なく一般的には「それなりの賃金」に、最初のうちは、こだわるのだと思います。
私の周りで会社に三行半した人もリストラ受けた人も、私の知る限り男女の別なく「仕事がゆるいなら、賃金安くて全然ok」と行動する人は誰もいませんでした。
なので私を含めて「珍しい」のだと思います。
だからそんな珍しいことをする人に世間は奇異だと感じ、それを許した私の妻への、同僚からの風当たりが強いのだと思います。
日本では、珍しいことをする人を、許してはいけない文化があるのですね。
Posted by 大庭夏男 at 2017年04月19日 10:31
>奥様方の声なき声が聞こえるし

62歳で退職したとき、妻は何も言いませんでした。
しかし64歳になった今、親戚、大学の同級生、会社の同期のほとんどは自由業(開業医や弁護士)
会社の重役等で現役なので少々肩身が狭いですね。

シルバー人材センターに行くと少ない仕事を多くの老人でシェアするので、月に4万円から8万円になるそうです。しかし、そのセンターの理事が多くは市役所の天下りでふんぞり返っているので行く気になりません。

幸い賃貸業や株投資をやっているので退職以降の2年間で預貯金は減っていません。
賃貸業は年齢とともに、だんだんと戦線を縮小しています。
8年前に120万円で購入したワンルームマンションを先月売却しましたが、この間に完全に投資を回収して、160万円で売却できました。

この程度を2軒所有していると、月に4万円の収入になるので、働く気にはどうしてもなれません。
Posted by 川ちゃん at 2017年04月21日 10:04
川ちゃんさん、

>自由業・・・
自由業は自分の行動を自分で決められるからいいですね、と思っていたし、今でも思っているのですが、デザーナーの人からセミリタイアする適当な理由もキッカケも無くて、事実上それはできない!と悩みを聞きましたから、それはそれで困りごとなのかもしれません。

妻の主治医が、たぶんセミリタイアを画策したのだと思います。若い医師を雇って自分は奥座敷みたいな部屋から指導するのですね。そのうち海外旅行先から電話で指導したいのでしょうか。しかしそのおかげで若い医師は自分で何~んにも判断できなくて、妻は困り、転院しました。
自由業に適するのは、お金を貯めて悠悠自適の完全リタイアしか無いのかもです。

>天下りでふんぞり返って・・・
私がかつてやって今はやめたボランティア先の人に会ったら、
「あんた、最近顔みせないなぁ」などと、私に顔近づけて言うヤツがいました。
偶然にも、その人物は「市役所」のひとです。
どのボランティアをするのも、しないのも、私の自由です。
Posted by 大庭夏男 at 2017年04月21日 12:59
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