2017年01月09日

サラリーマンは「まだセミリタイアし易いよ」らしい

そう言ったのは建築関係の仕事をしている個人事業主の人です。
彼は私の知人で、既に60歳の大台は超え年金受け取り世代になったのを機に、今までのようにがむしゃらに働かないセミリタイアに想いを馳せるも「どうやって第二の人生を設計したらいいのか分からない」と先日言っていました。

その男が言うには「もし俺がサラリーマンをずっとやっていたらもっと第二の人生のイメージがはっきりしただろう」と。

なぜ彼は第二の人生の設計構想がうまくできないのか・・・
彼はもう何十年も前に勤めていた建築関係の会社を辞めて、自分でデザイン会社を立ち上げた脱サラ起業家です。もうこの時点で自分の描くやりたいビジネスを手に入れ、それによって家族を養うという重い責務も果たしてきました。その個人事業としての建築関連ビジネスは、それこそ何でもかんでも全部一人で責任持って行動しなければならず、熱があっても腰痛になっても仕事を休むことができなかったキツイ仕事の連続だったらしいです。

そういう彼の仕事は彼の息子に引き継がれ、めでたく彼は第一線を退き、たまたま目の前にいた大庭夏男がサラリーマンをセミリタイアして、気ままにやってる様子を眺めて「第二の人生」について可能性をいろいろ考えてみた。けど「だめだぁ~」と先日私に「なんでだろぉ・・」と意見を聞いてきました。

彼の思考はこうです・・・
今までやってきた建築関係の仕事はかなり気に入っている仕事だった。だからセミリタイアを考えた当初は、仕事の受注をコントロールして「少しだけ受ければ楽ができる」と思ったけど、実際そんな受注のコントロールはできないことがすぐに分かった。建築デザイン事務所の看板をあげている限り仕事は嫌でも引き受けざるを得ないことになるそうで、仕事が一本入ったら最後、そこから数か月は忙しい日々になるのだそうです。

で、彼は第二の人生を考えるにあたり「仕事を変えてみよう」と、建築関係ではないビジネスを始めることを思いついたらしいです。が、ここで悩みが起きたと言うのです。
それは「今から違う仕事をやったとして、それでまた苦労して稼ぐことをまた、なぜするのか?」という疑問だったらしいです。
稼ぐのなら今までの仕事を継続する方がまだ簡単ではないか、と。
事実、息子が仕事の後を継いでいるから、以前より多少は楽と言えば楽だし、親子鷹で仕事すれば収入も多いだろうから、なぜ苦労してまで新しい仕事を努力するの?の答えが見つからないとも。

それで私は試しに「稼ぐという発想をやめたらば・・・」と言ってみました。
彼はその私の意見には承服できませんでした。
「仕事をするからにはたとえ安くてもいいから相応の報酬を得ることを外すことはできない」と彼は言いました。例えば建物を施主と共同して作るとしたなら報酬は半分が妥当だとは思うけど、タダにはできない。これはビジネスとしては極めて当たり前でリーズナブルな考えです。

ここまで話し合いを続けて改めて考えると、個人事業主のセミリタイアはサラリーマンよりずっと難しいことが分かってきました。サラリーマンであれば「会社に勤めない“何か身の丈な稼ぎごと”を個人で始めること」で、今までとはずいぶん違う雰囲気で稼ぎができます。だから「セミリタイアしたぞ!」と意識できます。私がやっているブログアフィリエイトと株式トレードでのセミリタイア生活は、まさにそうです。

だけど今までが個人事業主だったら、現役時代と同じ自分の机で、いつも見慣れた部屋の中で、抜け切れない「やるんだったら稼ぐ」という発想で、それでも自分にブレーキをかけながら無理やり頑張らないようにビジネスを始める、みたいなムードになりそうだ。これではイメージした「スカッツと爽やかで生き甲斐ある第二の人生の活動」にはなりそうもない。彼はもうこんなモヤモヤを多分数年抱えているものと思われます。

そう言えば、私の父も50歳代で独立起業して小さな鉄工所を経営しましたが、65歳で工場を畳み、その後はまた別の鉄工所に雇われて70歳まで働き、その後はスパッと働くことをやめ、その後10年間生存しました。セミリタイアというのが父にはありませんでした。

私は個人事業主の人のセミリタイアについては、もはやアイデアがありません。唯一「稼ぐことを外したらいいのではないか」とまじめに考えていますが、それでは趣味に生きる第二の人生であってセミリタイアではないとの反論に対抗できません。

上述の彼には「じゃあ株式トレードをしてみたらどうか」「株式トレードなら他から受注することが無いからマイペースでできるから」とも打診しましたが、どうも乗り気ではありませんでした。

私は自分が早期退職ついでにセミリタイアでき、その後も苦しくない暮らしをおくっているのは、その直前までサラリーマンをやっていたためだ、という事実?を今回実感しました。

相談を持ち掛けられた上述個人事業主の彼が今後どうするのかは、まったく分かりません。
分かりませんが、また相談を持ち掛けられれば話を聞こうと思います。

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posted by 大庭夏男 at 13:19| Comment(2) | TrackBack(0) | 好きなこと探し | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 先日、妻の父親が亡くなりました。90歳です。
義父は長く開業医をしていましたが、思いのほか質素な葬式で驚きました。
(私の親は私が現役時代に亡くなったので、花輪だけでも飾る場所が200メートル、葬儀参加者1000人という前代未聞でした。)
妻の弟は二人いますが両方とも開業医です。
そうなると、通夜、葬式もろもろは長女の妻=私にきます。
開業医の弟たちは簡単には休めないのです。
葬儀当日の午前中も仕事をしていたのは驚きました。
「患者のため」と言ってましたが、競争相手もいる中、自分のためです。
Posted by 川ちゃん at 2017年01月12日 20:23
川ちゃんさん、

>競争相手もいる中、自分のため・・・
もろもろがスキップできるから自分のためだし、診察時間減らさなければ患者のためにもなっている、と私がその立場の医者だったら画策するでしょうね。良い大義の活用事例だと思いました。

>質素な葬式
私の母の葬儀もたいへんたいへん質素でして、総勢8人が集まりました。
私の葬式も多くてもそんなもんで済ませたい、というか私は自分の死後についてほとんど興味がありません。火葬する直前にしっかり死んでいることを確かめてもらえればそれでいいです。
墓は父が建てたものがありますが、そこをいずれ畳んでお金もメンテナンスも要らない共同墓地に移すように子どもには言っています。
Posted by 大庭夏男 at 2017年01月13日 17:42
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